特別委員会調査その2 住民の命を支える公立豊岡病院のドクターヘリ 但馬救命救急センター長・小林誠人医師から「攻めの救命救急医療」実践の取り組みをお聞きしました。 京都の遅れを痛感します。

 公立豊岡病院は豊岡市、朝来市の2市による組合立の病院で 500床 平成17年春に現在の場所へ移転新築がされ、但馬救命救急センターの運営が開始され、平成22年4月に兵庫・鳥取・京都の3府県でドクターヘリが運行開始したところ、同年12月には単独でドクターカーも運行が開始され、但馬地域の救急患者救命率向上に大きな役割を果たしています。 日常的にも京丹後など北部の住民の皆さんもお世話になっている病院です。
 ドクターヘリの活動について、これまでの認識をあらためることができました。救命救急医療は時間との勝負。重傷・重篤な患者を救うためにはより早期からの医療介入が必要という立場から、待ちの医療ではなくドクターがヘリや救急自動車で現地に行き そこから治療が始まるもの 119番通報が消防救急に連絡がいくと同時にドクターヘリにも通報される いわゆる キーワード方式。なんと覚知からヘリ要請時間は4分36秒 全国平均の3分の1の速さで 重篤な患者を含め 亡くなった方はひとりもおられないそうです。
 ヘリには医師が2名、ナース1名が乗り込んで資機材をもって駆けつけ現場で手術をすることもあるそうです。救命救急センターの専属医師は13名 そのうち救急科専門医は7人、脳神経外科医も神戸大学から5名も派遣されているとのことで 与謝の海病院とは雲泥の差です。
 熱血医師 小林医師実践は感動ものです。病院、行政、地域の理解と協力があってこそできていると話されました。このような実践に全国から若い医師が集まってくるのだそうです。
 日本の救急医療は貧弱で 救急搬送件数が増加し、119番通報から救急車が来るのに8分、それから病院へ搬入されるまで37分から40分、年年時間が長くなり、加えて都市部でも受け入れ病院がなく4か所以上のたらいまわしという実態も悪化しているとのこと。京都市内にもあります。
 救急搬送が増えているのもかかわらず救急隊員は増やさない。それどころか公務員減らしの大合唱で逆に人減らしの計画がすすめられてる現状は本当にひどいものです。
 小林医師が紹介されたドイツでは、15分ルールがあり、ドイツ国民は15分以内に救急医療を受ける権利を有すると法律に明記され、半径50キロ圏内を受け持つ医師同乗ヘリが全国にくまなく配備されているのだそうです。
 府立医科大が与謝の海病院で救急医療講座を開設準備中ですが、豊岡病院のこのような実践こそ必要ではないかと痛切に感じました。