第4回桂川嵐山地区河川整備検討委員会を傍聴。台風18号被害の嵐山地区河川緊急対策案の検討です。

 昨年9月の台風18号に伴う豪雨被害を受け、国土交通省近畿地方整備局が、桂川嵐山地区で実施予定の緊急対策案について検討する会議を傍聴させていただいた。検討会は平成24年7月23日に第一回が開催され、嵐山地区の治水上の課題や歴史的経緯の整理、景観や観光などへの影響把握と調査、早急に着手可能な暫定対策案の検討などが重ねられていたもの。
 台風18号災害ををうけての緊急対策として、景観への影響の小さい暫定対策案が1月21日、地元連絡会第四回の場で示されており、それらの地元意見も報告されている。 案としては、堆積した土砂の撤去と渡月橋上流下流域700メートルあまりの左岸側にパラペットという防水壁をつくるもの。
 名勝嵐山は京都の日本全体の景観資源であり、その環境を守りながら、治水対策をどのように進めていくのか大変難しい課題である。
 台風時の増水状況、日吉ダムの放流など住民への十分は情報提供と情報の共有をおこないすすめること、構築物をつくるまえにより根本的には総合的な治水の在り方の検討、景観との調和問題などが議論された。など行われた。
 事務局側は案を提示したが、会議の議論を地元に報告し意見を聞くこと、決定ではないと丁寧に返答されていた。
天龍寺宗務総長も検討委員のメンバーだが、「日常的に河をきれいにしてください。水が流れるように日常の管理が大事だ」との指摘したうえで、地元の持ち帰って話し合い、構築物がいいのか悪いのか作るべきか作ったほうがいいのか十分地元の意見を吸い上げてほしいと言われた。
桂川では河川の樹木の伐採が行われすっかり風景が変わってしまったが、いよいよ掘削が始まろうとしている。小泉構造改革が始まって以来、前年比6パーセントの予算削減が連続的に行われ、河川整備や日常的管理予算が半分以下になってしまっていたことが問題である。
 さて、京都府では現知事のもとで、トップダウンで地元住民の声を聴かずに強行することがたびたびある。それに比べれば、説明不足という点はあるにしても、決定を押し付けず丁寧にお論を重ねていく姿勢は評価できると感じた。